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黒猫のあしあと 1
親友の葬式でその子供を見た時、まさに生き写しだと思った。
利発そうな目元、どこまでも透き通るような、ガラスのような瞳。
一夜にして父親と母親の両方を失ったその子供は、よく手入れされた人形のように、身綺麗にして、無表情のまま、ちょこんと椅子に座っていた。その子供は、冷徹な目で、ひとり、静かに、しとしとと泣き続ける親族の群れを見つめていた。その子供は、あまりにも透明で、今すぐにでも抱きかかえなければ、すっと、誰にも気付かれず、この世から消えてしまうかのように思われた。
衝動だった。気づけば、親族に向かって、引き取ると言っていた。法律上の手続きはいい、とにかく私が、その子の世話をしますと、頭を下げていた。皆、その子供の扱いに困っていたのか、一瞬だけためらった様子を見せつつも、名刺を見せると、申し出はあっさりと承諾された。
子供の前に跪いて言った。
「湊くん、今日から俺が、君のパパだよ」
そう聞いてもなお、その子供は、少しも驚く様子を見せず、ただ見定めるように、こちらの目をじっと見つめていた。
それでいいと思った。それでこそ、透の息子だと思った。
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