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黒猫のあしあと 12
土曜日の朝、僕はマフラーを巻いて、外に出た。片手には手提げバッグを持っている。空は白くて、空気は冷たかった。
孝太郎さんには「公園で俊介くんと遊ぶ」と言って出かけた。公園に行くのは本当だけど、俊介くんと遊ぶのは嘘だった。
途中でコンビニに行って、お小遣いを出して、ライターを買った。子供がライターを買うなんて、なんとなく悪いことをしている気分になったけれど、店員さんには何も言われなかった。何か言われたら、「親に頼まれたんです」と言うつもりだった。
まだ時間が早かったからか、公園には人がいなかった。それは今の僕にとって、いいことだった。
僕は手提げバッグから創作ノートを出して、適当なページを開いた。
黒猫と主人公が、屋根の上で、二人だけで、歌を歌っている。
この頃は、まだ、生きてたんだね。
僕は少しだけ目を閉じて、黒猫と主人公の姿を思い浮かべた。
それから、そのイメージを消して、ライターをつけた。
さよなら、僕の。
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